今日はクスコへ向かう。
クスコは標高3360mにあるインカ帝国の首都だったところ。
世界遺産としても知られる有名な街です。
リマ(0m)から1時間、一気に3360mまで上がるのでほとんどの人が高山病になるらしい。
前日に同じペンションの宿泊者の方からいただいた高山病の薬を飲んではいるものの心配。
ケビンは、チャレンジしてみたいと(何に?)高山病の薬は飲まず。
7時にペンションを出発。9時発の飛行機が1時間半遅れで出る。
飛行機はかなりの旧型。
フライト中、何度もテーブルが出てきて益々不安になる。大丈夫か??
隣に座ったドイツ人のツアーガイドさん。
なんどもペルーを訪れているらしい。
楽しい会話で少し気が和む。
11時半。クスコへ到着。
息がしにくくなったように感じる。ゆっくり、ゆっくり歩きながら大きく深呼吸。
初めが肝心。
ゆっくりゆっくり・・・・・
心の中で念仏のように唱える。
先ほどのドイツ人の彼女。
ひとりでポーターさんを手配し、25人分の荷物をテキパキと取っていく。
かっこいい・・・・・高山でたくましく動く彼女。
深呼吸を繰り返しながら感心する私達。
鍛え方が違うね〜。
迎えに来てくださったLioさん、なんともおしゃべりな人。
はじめは日本語で頑張っていたのだけれど、ケビンが分からないこともあり英語でというと
急に英語で話しまくり。どうも日本語はまだ勉強中で英語のほうが得意らしい。
ということで、ここからは全てやり取りは英語になった。
クスコの町は道が狭く、宮崎駿さんの作品に出てきそうな石造りの街でした。
屋根は全て赤く街いったいが統一され、
狭い石畳の道を車やタクシーが行きかう。
さすが世界遺産。素敵な街です。
画廊の2階にあるホテルに案内されてまずはコカ茶をいただく。
コカ茶はまさに麻薬コカインの原料となる葉っぱのお茶で高山病にいいと言われているものです。
味は、緑茶にミントを混ぜたような味で私は結構大丈夫でしたが・・・ケビンは・・・・。
チェックインを済ませて、しばし部屋で休息。
横になると息がしにくくなるので椅子に座って休憩すると良いと本で読み、じっとベッドに座る。
ケビンは私の忠告を聞かず、グースカ・・・
昨日、どうも眠れなかったらしい・・。大丈夫か?
部屋の窓から見た街
午後からは市内観光。
カテドラル・サントドミンゴ教会や、市外にあるいくつかの遺跡を回る。
巨大な石で作られた遺跡、カラフルな色のお土産を売る人たち、南米独特の民族衣装を着たおばさん。どこへ行っても南米だなぁ〜って感じる。
リマとはまた違う国のよう。
感動する私・・・・・・・が、ケビンの様子がおかしい。
息が苦しいらしい・・・。みんながどんどん歩いて行くのにケビンは一人で休憩をとる。
だから薬飲んだらって言ったのに・・・・。
ガイドさんに「エアータンクはないか?」と聞くと
エアータンクは別の車に乗せているらしい・・・・。
結局ケビンは一番前の席に座り、「大丈夫??」「少し休んだら?」
などと他の観光客の皆さんにも心配していただく始末。
ツアーも終わり、食事をしようとレストラン街でバスを下ろしてもらう。
が、やっぱり元気のないケビン。
食事もまったく手をつけなかった。これはおかしい。
ホテルへ戻る時も、寒さで震えるケビン。さすがに夜は冷えるが、震えるまではない。
やっぱりおかしい。
ホテルへ帰って、ベッドに入っても震えが止まらない。
熱がある。体温計を借りにフロントへ行くがない。酸素タンクもない。
フロントの人に症状を話すと「高山病だよ。休めば治る」とあっさり言われ、
シブシブ部屋へ戻る私。
一向に熱が下がらない様子を見て、フロントの人にガイドに連絡を取るようにお願いしたが
ガイドの電話がオフになっていてつながらないとのこと。
なにぃぃぃぃ!!
切れそうになるのを我慢して部屋へ。
フロントの人も心配になって何度も部屋へ足を運んでくれた。
下の画廊で働く人が詳しいからと連れてきてくれた。
彼女の名前はベッキー。
ベッキーは英語は全く話せず、スペイン語で言ってくる。
どうも熱を下げようといっているようだった。
脱脂綿に薬を湿らせおでこにのせる。熱くなったらまた換える。
この作業を彼女は4時間も繰り返してくれた。
彼女は一生懸命私達に話をしてくれた。
もちろん、私達はスペイン語が分からないので、ジェスチャーや英語に似た単語でのやりとりだったが、なぜか彼女の言いたいことが分かった。
彼女の妹がアメリカに行ってしまった事。そして、もう会えない事。
彼女が涙ながらに話すので私まで涙が出てきてしまった。
ケビンまで感極まり、3人でシクシク抱き合って泣く。(笑)
途中、ベッキーが出したボトルが爆発し(気圧のせいで)液が飛び出て私の目に入って大変だったりしたが
なんとかケビンも落ち着いてきた。
が、安全を見て、一応救急病院へ行くことにした。
ホテルの人に手配してもらっていた時に、隣の部屋の人が起きてきてうるさいと苦情を言って来たが、
事情を話すと
「Sorry・・・・」と肩を抱いてくれた。
初めて大変なことになっているんだと実感。
ちょっと弱気になり涙目になる私と熱で朦朧とするケビンをつれて、タクシーへ乗り込むベッキー。
結局、ウィルスによる熱だと診断された。
今晩はとまったほうがよいと言われ、ケビンは1晩入院。
ケビンが検診を受けている間、私とベッキーは同じ建物にある薬屋へ点滴液や注射などを買いに行く。
ペルーでは薬局と医者は別々らしい。
買ってきた点滴を受けながら眠りに着くケビン。
私は明日のスケジュールのことなどがあるので、ホテルへ戻る。
ホテルへ戻ったのは夜中の3時。
ベッキーは結局6時間も私達に付き合ってくれたのでした。
帰りのタクシーの中で、ベッキーにお礼を言ったら、緊張の糸がほぐれたのか、涙が溢れてきてしまいまいた。
彼女の優しさに感謝。
かなり怪しい飛行機
空港でおもしろい広告を見つけたのでパチリ。
左はホテルのポスター広告。
ボーイさんが持ってるのはエアータンク。
酸素もサービスのうち?!
アルパカをつれたオバサン
サクサイワマン
カラフルなお土産が並びます
タンボマチャイ
聖なる泉と呼ばれ、水が湧き出ているところ